冷却装置(ラジエター)の点検方法を知ろう。ラジエター液がなくなれば車はオーバーヒート、大切なデートの時にオーバーヒートしないようユーザー車検が目的じゃなくても注意しよう

冷却装置の点検

オーバーヒートの原因、ラジエター液の不足

オーバーヒートの原因でもっとも多いのがラジエター液の不足。漏れてなくなるばかりでなく、蒸発で自然に減少することもある。またラジエター液に問題がなくても冷却フアンに異常が発生すればオーバーヒートが起こる。

ラジエター液の点検

ラジエター液もきちんとチェック

ラジエター液はリザーバータンクに予備の液が蓄えられているが、冷却経路のどこかが破損して漏れが続けばラジエター液が不足。当然、オーバーヒートが起こる。またリザーバータンクは外気と接しているため、内部のラジエター液が蒸発して減っていく。空になれば冷却経路内に空気が入りオーバーヒートになる。
さらに、ラジエターに風を送って冷却効率を高めている冷却フアンに異常が発生した場合も、オーバーヒートになる。なお、始動直後などエンジンが暖まっていない状態では、冷却装置はラジエター液の循環を止めて冷却能力を停止しているが、サーモスタットという部品に異常が発生すると、エンジンが暖まるのに時間がかかる。燃費が悪く、エンジンにも辛い状態が続く。以前より適温に達するのに時間がかかるようになったら、プロに相談したほうがいいでしょう。

冷却ファンの点検方法

冷却ファンも忘れずチェック
冷却ファンはラジエターの後方に備えられていて、モーターで回す電動ファンと、エンジンの回転を伝えて回すベルト駆動ファンがある。エンジンルームでファンの根元を見れば、どちらのタイプかはすぐにわかる。根元の部分にベルトがあればベルト駆動ファン。現在の主流である電動ファンの場合、ファンが回っていることを確認するだけで十分。ただし、電動ファンはエンジンの状態に応じて電子制御されているため、始動直後などエンジン温度が低い状態では、冷やし過ぎを防ぐために回転を停止している。点検はエンジンが適温になってから行おう。ベルト駆動フアンの場合はベルトの点検が必要だ。ベルトはフアンの根元やエンジン部分のプーリー(滑車)にかかっているが、このプーリーとプーリーの中間部分、つまりもっともベルトがたわみやすい部分を親指で強く押してみて、下がるのが1cm以内ならベルトの張り具合はOKだ。ただし、現在のベルトは非常に丈夫。数年程度の使用で伸びてたるむことは少ない。エンジンルームからベルトがスリップするキュルキュルといった音がしなければ大丈夫だ。
冷却装置の点検でもっとも重要なのがラジエター液の量です。これはリザーバータンクで点検する側面にある上限と下限の目盛りの問に液面があればOKだ。蒸発によって減少しているようなら、水道水を補充しておけばいい。なお、リザーバータンクの液量は状況によって変化する冷却経路内のラジェター液は温度が上昇すると膨張。ある程度までは膨張して圧力が高まったほうが効率よく冷却ができるが、高まり過ぎるとラジエターホースなどが破裂する。そこで余分な液をリザーバータンクに送って、冷却線路内の圧力を下げている。そのためタンクの液量は適温時には増える。エンジンが暖まった状態で点検を行うと、液量が上限の目盛りを超えていることもあるが、タンクから溢れるほどでない限り、これは異常ではない。

半年に1回の点検

ラジエター液、キャップ

月に1回の日常点検なら、リザーバータンクの点検で十分だが、半年に1回ぐらいはもう少し点検しておきたい。まずはラジエター本体の液量。リザーバータンクが適量なら、冷却経路内の液が不足することはほとんどないが、念のためにラジエターキャップを開けて確認すればいい。ただし、ラジエター液が温まった状態でキャップを開けると、高温の水蒸気やラジエター液が噴出して火傷する。必ず冷えた状態で点検すること。また、キャップの内側や、エンジンとラジエターをつなぐラジエターホースにはゴムが使われている。ゴムは古くなると劣化して弾力がなくなり、隙間から液漏れが起こったり、適温になって圧力が高まった状態でラジエターホースが破裂したりする。ゴムの部分にヒビ割れや損傷がないかを確認しておこう。

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