ユーザー車検の為にもブレーキ、点検方法を知ろう。というより、ブレーキは、車の命のひとつ、ブレーキパットがなくなれば、車は止まりません。要注意

ブレーキの点検

車で一番大切なことは、停まる事。どんをに点検することが面倒でも、ブレーキフルードの量だけは最低限チェックしよう。ブレーキの役割はいうまでもなくクルマを減速したり止めたりすること。走行中に常用するフットブレーキでは、ブレーキペダルを踏んだ力が油圧によって各輪のブレーキ本体に送られる。現在の主流であるディスクブレーキの場合、油圧によってブレーキパッドが車輪の回転軸に備えられたディスクローターに押し付けられ、その摩擦によってクルマが減速する。ブレーキのもう1つの役割が、クルマを止めておくこと。それを担当しているのがパーキングブレーキだ。操作部からブレーキ本体まではワイヤーなどで機械的に力が伝達される。ブレーキ本体はフットブレーキのものを兼用する場合と、専用のプレーキ本体を備える場合がある。

ブレーキフルードの点検

ブレーキフルードは、車を止める為に必ず点検
ブレーキフルードはエンジンルームに予備のフルードを蓄えておくリザーバータンクが備えられている。運転席の真正面あたり、フロントグリル側から見ると左奥の位置にあることがほとんどだ。油圧経路のどこかに損傷ができフルードがすべて漏れれば、ブレーキが使えなくなるのは当然だが、わずかな漏れでも非常に危険だ。現状は小さな隙間でも、急ブレーキなどで強い油圧がかかった際に破損が広がり、フルードが一気に漏れることもある。また、漏れた分はリザーバータンクのフルードで補充されるが、タンクが空になれば油圧経路内に空気が入り、ブレーキのききが悪くなります。点検方法はリザーバータンクの液量を見るだけ。タンクの側面には上限と下限の目盛りがあるので、その間に液面があトればOKだ。しかし、リザーバータンクの液量は漏れていなくても、少しずつ減っていく。ブレーキを使うとパッドは摩耗して薄くなっていくが、ブレーキが作動するタイミングを一定にする必要があるため、パッドがディスクローターに近づく機構が採用されている。これにより油圧経路の全長が伸びることになり、リザーバータンクのフルードが使われる。ただし、これによる減少は非常にわずか。一般的な走行距離のクルマの場合、月に1回の点検で気づけるほどの減少ではない。もし、前回の点検より大幅に減っていたら、プロに点検を依頼しましょう。

ブレーキの点検方法

ブレーキペダルもチェックしよう
もっとも簡単な点検は急な坂道にクルマを止めてみること。フットブレーキでクルマを止めたら、パーキングブレーキをかけシフトレバーをN(MT車ならニュートラル)にする。そのうえでブレーキペダルからゆっくり足を離せばいい。わずかに車が動くことがありますが、位置が保持されれば大丈夫です。また、フットブレーキについては、ペダルを強く踏でみて、いつもと同じ位置まで踏み込めるか、ペダルがフワフワしないかも確認しておく。パーキングブレーキについては、操作した際にするカチカチという音を数えよう。この昔はノッチ音といわれるもので、適正値が定められている。車両取扱説明書に記載されていない場合はディーラーなどに問い合わせてみればいい。ペダルの状態がおかしかったりノッチ音の数が適正値を超えていたら、プロによる整備が必要となる。

倍力装置

フットブレーキには倍力装置というアシスト機構が備えられている。バキュームブースターと呼ばれることもある。この装置も壊れてみて初めて、そのありがたさがわかるもの。たとえ倍力装置が故障しても、安全のためにフットブレーキは機能する構造が採用されているが、ブレーキのききは極端に悪くなる。いつもと同じ程度にペダルを踏んだのでは、クルマはほとんど減速しない。倍力装置の最低限の点検は、驚くほど簡単なもの。ブレーキペダルを強く踏みながらエンジンをかけるだけでいい。エンジンが働く際には勢いよく空気を吸い込むため吸気経路内の圧力が低くなる。これを吸気負圧という。倍力装置はこの吸気負圧と大気圧の差を利用してアシストカを発生させている。つまり、エンジンがかからないと倍力装置は作動しないということ。エンジン停止状態でブレーキペダルを強く踏み込み、そのままエンジンをかけると、わずかに遅れて倍力装置が作動を開始。倍力装置が正常なら、アシストカが発揮されて、ブレーキペダルがそれまでより深く踏み込めるようになる。ブレーキペダルを強く踏んで始動するクセを付けておけば、始動するたびに倍力装置が点検できる。

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